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2026.01.05 家づくりノウハウ

軒ゼロ住宅で後悔しないために!失敗事例と対策、メリット・デメリットを解説

シャープでモダンな外観が魅力の軒ゼロ住宅。都市部を中心に、この設計を選ぶ方は一定数いらっしゃいます。ただ、一方で「住んでみたら想像と違った」という声があるのも事実。せっかくのマイホームで後悔しないためには、プランニングの前に軒ゼロ住宅の特性をしっかり理解しておきましょう。

軒ゼロ住宅とは?基本の定義と設計トレンド

白い軒ゼロ住宅

まずは軒ゼロ住宅の基本について、整理していきましょう。

軒(のき)の役割とは?軒ゼロが選ばれる現代建築の背景

軒とは、屋根が外壁よりも外側に張り出している部分のこと。日本の伝統的な住宅では、この軒が雨や日差しから外壁を守り、室内環境を整える重要な役割を果たしてきました。
夏の強い日差しを遮り、冬の低い日差しは室内に取り込む。雨の日は外壁への雨水の直撃を防ぎ、建物の劣化を遅らせる。そうした機能面での効果とともに、軒下空間は日本人の暮らしに深く結びついた場所だったのです。
しかし、時代とともに住宅デザインも変化しています。土地が限られる地域では、敷地を有効活用できる設計が求められるように。また、建材の進化によって、軒がなくても十分な耐久性を確保できる技術が生まれました。こうした背景から、軒ゼロ住宅という選択肢が広がってきたのでしょう。

軒なし・軒ゼロ・軒天なしなど、設計用語の違いを整理

住宅設計の現場では、似たような言葉がいくつも使われています。『軒ゼロ』『軒なし』『軒天なし』──ただし、これらは厳密には少し意味が異なります。
『軒ゼロ』『軒なし』は、同じ意味。軒の出がゼロ、つまり屋根が外壁の面とほぼ揃っている状態を指します。完全に軒がないというよりも、極端に短い軒になっているケースも含まれます。
一方、『軒天なし』は軒の出はあっても、軒裏(軒裏天井)の仕上げをしない設計のこと。屋根の垂木などの構造材が見える状態です。

軒ゼロ住宅が増加している理由とデザイン上の魅力

軒ゼロ住宅が選ばれる理由は、何といってもそのデザイン性。無駄を削ぎ落とした直線的なフォルムは、外観に現代的で洗練された印象を与えます。
特に都市部の狭小地では、建物をシンプルな箱型にすることで、限られた空間を最大限に活かせるのも利点。軒の出を考慮しなくてよい分、設計の自由度も高まります。
また、若い世代を中心に、SNSで映えるコンパクトな外観やミニマルで機能的な空間デザインが好まれる傾向も後押しとなっていたと考えられます。そうした価値観が、軒ゼロという選択につながっていたのではないでしょうか。

【メリット】軒ゼロ住宅が選ばれる理由とデザイン・コストの魅力

白×グレーの軒ゼロ住宅

軒ゼロ住宅には、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

外観がシンプルでモダンになる「デザイン性の高さ」

軒ゼロ住宅の最大の魅力は、やはりそのスタイリッシュな外観。軒が張り出していないことで、建物全体がすっきりとした印象になります。
外壁材の選び方によっては、ギャラリーのような都会的な雰囲気に。黒やグレーといったモノトーン系の外壁と組み合わせれば、特に洗練された表情が生まれます。
また、軒ゼロという選択は周辺の景観にも馴染みやすいもの。隣家との距離が近い住宅地でも、圧迫感を与えにくいのです。建物の高さを抑えることなく、視覚的なボリューム感を軽減できる効果があります。
関連記事:印象的な外観デザイン6選!

建築コストの削減効果は?費用面でのメリット

軒の出を作らないことで、屋根材や軒天材の使用量が減ります。施工の手間も軽減されるため、建築費用の削減につながるケースも。むしろ、軒ゼロ住宅が流行り出した頃は、コスト削減が目的だったと考えられます。
ただし、これは単純な話ではありません。軒ゼロ住宅では、その分、外壁の防水性能を高めたり、窓まわりの庇を別途設けたりする必要があります。また、将来的なメンテナンスコストも含めて考えると、初期費用だけで判断するのは早計です。
とはいえ、限られた予算の中で建物のデザイン性を高めたい──そう考える際に、軒ゼロという選択肢は有効な手段のひとつとも言えます。

狭小地でも有効!敷地を最大限に活用できるメリット

都市部では、建ぺい率や斜線制限など、さまざまな建築上の制約があります。軒の出があると、その分、建物の配置計画が難しくなることも。
軒ゼロにすることで、敷地ギリギリまで建物を配置できる余地が生まれます。結果として、室内の床面積を広く確保できたり、駐車スペースを確保しやすくなったり――。
つまり、限られた土地を最大限に活かすという視点から見ても、軒ゼロ住宅は合理的な選択。特に都心部の狭小地では、検討する価値のある設計手法と言えるでしょう。

【デメリット】軒ゼロ住宅で「後悔」する4大リスクと潜在的な問題

室内から見る軒のない掃き出し窓

魅力的な軒ゼロ住宅ですが、デメリットも存在します。後悔につながりやすい4つのリスクを見ていきましょう。

関連記事:「軒のある家」って素晴らしい!?

1.雨垂れ・泥はねによる外壁の汚れや劣化のリスク

軒がないと、雨が降った際に外壁に直接雨水が当たります。これが長期的に続くと、外壁に汚れが付きやすくなります。
特に雨が地面に落ちて跳ね返る”泥はね”は、外壁の下部を汚す原因に。白い外壁などは、その汚れが特に目立ちやすくなります。
また、雨水が外壁を伝って流れ続けることで、外壁材の劣化が早まる可能性も。コケや藻が生えやすくなるケースもあり、美観を保つためには定期的なメンテナンスが必須です。

2.夏の強い日差し(西日)が室内に差し込む問題と対策

軒の役割のひとつが、日射のコントロール。軒がないと、夏の強い日差しが室内に入り込みやすくなります。
特に西日が差し込む部屋は要注意。午後から夕方にかけて、室温が上昇しやすくなるのです。エアコンの使用時間が増えることで、光熱費の負担が大きくなる可能性もあります。福井は夏の日差しもかなり強烈。冬は雪が多く日照時間が短い一方、夏場の日射対策は欠かせない要素です。

3.雨漏りや外壁内部の結露リスクが高まる可能性

軒ゼロの家は屋根と外壁の取り合い部分(納まり)の設計が重要で、この部分の防水処理が不十分だと、雨漏りのリスクが高まります。
また、外壁に直接雨が当たり続けることで、外壁内部に湿気がたまりやすくなる場合も。適切な通気層が確保されていないと、壁の中で結露が発生し、構造材の腐朽につながる恐れがあります。

4.洗濯物や窓の開閉など、生活上の不便さ

最近は洗濯物を外干しする人は少なくなりましたが、雨の日でもちょっと窓を開けたい日はありますよね。そんな時、軒がなければ室内に雨が吹き込みやすくなります。換気のために窓を開けたいのに、開けられない──そんなストレスを感じることもあるかもしれません。
玄関ドア付近も、軒がないと雨に濡れやすくなります。鍵を開ける際に濡れてしまったり、荷物を置く場所に困ったり。日常生活の細かな部分で、不便さを感じる場面が増えるかもしれません。

軒ゼロ住宅で後悔を回避する具体的な対策

軒ゼロの三角屋根

軒ゼロ住宅のデメリットは、適切な対策を講じることで軽減できます。

雨漏りを防ぐための「防水層」と「通気層」設計の重要性

軒ゼロ住宅で最も重視すべきは、防水性能。特に屋根と外壁の取り合い部分は、何重にも防水処理を施すことが大切です。
防水シートの施工はもちろん、その上からシーリング材でしっかり処理を。さらに、外壁材と防水シートの間には必ず通気層を確保します。
この通気層があることで、万が一、外壁内部に湿気が入り込んでも自然に排出され結露やカビの発生を防げます。
福井のように降雨・降雪が多い地域では、この防水層と通気層の設計が住宅の寿命を左右すると言っても過言ではありません。

外壁の汚れを最小限にするための素材選びとコーティング

外壁材の選択も、軒ゼロ住宅では慎重に。汚れが目立ちにくい色や素材を選ぶことで、メンテナンスの手間を減らせます。
例えば、淡い色よりもグレーや濃い色の方が汚れは目立ちにくい。表面に凹凸が少ないフラットな外壁材は、汚れが付きにくく、雨水で自然に洗い流されやすくなります。
最近では、光触媒コーティングや親水性コーティングが施された外壁材も登場しています。これらは汚れを分解したり、雨水で流れやすくしたりする効果があるため、軒ゼロ住宅との相性は良好です。
また、建物の基礎部分を高めに設計することで、泥はねの影響を最小限に抑えることもできます。

日射熱を遮るための窓サッシ選びと外部アイテム(庇)の活用

軒がなくても、日射対策は可能です。まず検討したいのが、高性能な窓サッシ。
Low-E複層ガラスや、遮熱タイプのガラスを選ぶことで、夏の日射熱を大幅にカットできます。西日が入る窓には、特に性能の高いガラスを採用するのが賢明。
また、窓の上部に小さな庇を設けるのも効果的です。軒ゼロのデザインを損なわない範囲で、必要な部分にだけ庇を付ける──そんな設計も可能です。
室内側では、遮熱カーテンやブラインド、ロールスクリーンなどを活用するのも有効。外部にはシェードやすだれを設置することで、窓に日差しが到達する前に遮る方法もあります。

軒ゼロ住宅の耐久性を高める!外壁材・屋根材の選び方

長く快適に住み続けるには、素材選びも重要なポイント。

耐久性に優れた外壁材は?

軒ゼロ住宅に適した外壁材として、まず挙げられるのが耐候性に優れ、メンテナンスサイクルも長めのガルバリウム鋼板やタイル。
一方、表面に凹凸のある塗り壁やリシンは汚れがつきやすいため、、軒ゼロ住宅には向きません。窯業系サイディングも、雨水がかかりやすい環境では劣化しやすく、メンテナンス頻度が高くなります。
エーシンで軒ゼロ住宅を建てる際には、「好き」な外観がずっと続くよう、耐久性の高いガルバリウム鋼板やタイルを採用しています。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、デザイン性と機能性のバランスを考えて選ぶことが大切です。

軒ゼロ設計における屋根の納まりとメンテナンスの注意点

屋根材も、雨水の処理を考慮して選びましょう。軒ゼロの場合、雨水が外壁を伝いやすくなるため、雨樋の設計も重要です。
雨樋がしっかり機能していないと、雨水が外壁に直接流れ落ちてしまいます。雨樋の容量や配置、勾配などを適切に設計することが必要。
また、屋根と外壁の取り合い部分は、定期的な点検が欠かせません。シーリング材は経年劣化するため、10年前後を目安に打ち替えを検討します。
福井のように雪が積もる地域では、屋根の雪下ろしや融雪設備も視野に入れる必要があります。軒がないことで、雪が外壁側に落ちやすくなるため、その対策も含めて計画的に考えておきましょう。

軒あり・軒ゼロの徹底比較!あなたの土地・気候に最適なのはどちら?

軒ゼロ住宅の2階ベランダ

軒ゼロか、それとも軒ありか──選択に迷った時の判断材料を整理しておきましょう。

関連記事:福井の新築住宅に必要な工夫とは

デザイン性・機能性・コストを総合的に比較

項目 軒あり 軒ゼロ
デザイン性 伝統的・落ち着いた印象 モダン・都会的な印象
雨対策 外壁への雨水直撃を軽減 外壁に雨が当たりやすい
日射対策 夏の日差しを遮る効果 日射が室内に入りやすい
建築コスト 軒材の分、やや高め 初期費用は抑えられる可能性
メンテナンス 外壁の劣化が遅い 外壁の定期的な手入れが必要
敷地活用 軒の出を考慮した配置 敷地ギリギリまで活用可能

この表からもわかるように、それぞれに一長一短があります。大切なのは、どちらが絶対的に優れているかではなく、自分たちの暮らしやライフスタイルに合っているかどうか。

日当たりや降雪量など、立地条件から考える最適な軒の長さ

福井のような雪国では、軒の有無が冬の暮らしに大きく影響します。軒があれば、玄関前や窓まわりへの積雪を減らせますが、逆に軒に雪が積もることで重量の負担が増えることも。
また、敷地の方角や周辺環境も判断材料になります。南向きの土地で日当たりが良好なら、夏の日射対策として軒があった方が快適。一方、北側道路の土地では、少しでも日差しを取り込むために軒ゼロが有利な場合もあります。
降雨量が多い地域では、軒ありの方が建物への負担は少なくなる傾向にあります。ただし、適切な防水処理と素材選びをすれば、軒ゼロでも十分に対応可能。
立地条件、気候特性、そして予算──これらを総合的に判断することが、後悔しない選択につながります。

軒ゼロでも機能性を確保するための設計アイデア

軒ゼロのデザイン性を保ちながら、機能性も確保する──そんな両立も可能です。
たとえば、建物全体は軒ゼロにしながら、玄関まわりだけ小さな庇を設けるという方法。デザインの統一感を保ちつつ、日常の使い勝手を向上させられます。
窓まわりにも、薄型の庇やシェードレールを設置することで雨の吹き込みを防げますし、深めのバルコニーを設けることで、事実上の軒の役割を持たせることも可能です。
外構計画も重要。建物の周囲に砂利を敷いたり、植栽を配置したりすることで、泥はねを軽減できます。雨樋からの排水経路も、しっかり計画しておきましょう。

【まとめ】軒ゼロ住宅を成功させるために

明るい光が差し込むLDK

軒ゼロ住宅は、デザイン性の高さと敷地の有効活用という大きなメリットがある一方、雨対策や日射対策、メンテナンス面での配慮が必要です。
しかし、それらのデメリットも、適切な設計と素材選び、そして確かな施工技術があれば十分にカバーできるもの。大切なのは、軒ゼロという選択肢のメリット・デメリットを正しく理解し、自分たちの暮らしに合った判断をすることです。

後悔しない家づくりのためにまずはエーシンホームに相談

エーシンホームは、福井という気候特性を熟知した地域密着の工務店。降雪量の多い冬、湿度の高い梅雨、そして強い日差しの夏──この土地ならではの四季に対応した家づくりを、長年にわたって手がけてきました。
軒ゼロ住宅を検討されている方も、まずは一度ご相談ください。あなたの土地の条件、ライフスタイル、そして予算に合わせて、最適なプランをご提案させていただきます。
デザイン性と機能性、どちらも諦めることなく実現できる住まいづくりを、私たちと一緒に考えていきましょう。理想の住まいが、あなたの暮らしに長く寄り添えるように──そんな家づくりのお手伝いができれば幸いです。