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2023.05.15 ブログ

2重サッシとペアガラス【建築用語集】

戸田 圭太郎

戸田 圭太郎

こんにちは!
エーシンホーム設計課 戸田です
過ごしやすい暖かさになり、窓から心地のいい風が流れる季節になりました

今回は「窓」の間違えやすい言葉の違いをお話したいと思います
みなさん2重サッシとペアガラスの違いを知っていますか?

2重サッシとは既存のサッシに追加してサッシを取り付けることをいいます
別名では「内窓」「インナーサッシ」「二重窓」ということもあります
主にリノベーションで使われることが多いです

今の部屋が寒い!一番熱が逃げるのは窓!ここの断熱性能を上げたい!
でも、壁を壊して窓を取り変えるのは時間もお金も手間もかかる…

そんな時に使われるのが2重サッシです
今ある窓の内側に新たに窓を取り付けるので工事時間も短く、簡単に断熱性能を上げることができます

2重サッシのメリット
・断熱性能が上がる
 暖房・冷房の効きがよくなり光熱費を抑えることができる
・防音効果
 窓が多くなるので、より音を遮ります。ペアガラスよりも防音効果があるそうです
・防犯効果
 鍵も2つになるので、侵入しにくくなります。

 デメリットとしては、開ける窓が2つになることや掃除がしにくいことなどがあります
1つ変えても効果が薄いので、部屋の窓全て変える必要があります。また、窓以外に熱が逃げていないのか確認をすることも大切です

 

ペアガラスとは窓のガラスが2重になっているサッシということです
他の言い方では「複層ガラス」ともいいます
ガラス・空気(ガス)・ガラスの組み合わせで窓のガラスを構成しているため、ただ一枚のガラスより断熱することができます

中に入れる空気ですが、乾燥空気・アルゴンガス・クリプトンガス・真空空気の順で性能が上がっていきます
ペアガラスを採用する際には、中の空気にも目を向けてください

 新築の時に多いのはペアガラスですが、より高性能の家ではトリプルガラスが入っていることが多いです
一番枚数が多いものでは、LIXILのレガリスというシリーズで5枚ガラスのものもあります!

ガラスの枚数が増えるほど使える窓の大きさや種類も少なくなります
5枚ガラスのレガリアでは引き違いの窓はありません!
また、金額も上がっていくのと、窓の重量も大きくなり、開け閉めしにくくなることもあります
使いたい窓や使い方に合わせて性能を考えていくことも重要です

 家で一番熱が逃げやすいのは「窓」です。窓の性能を上げることでより豊かに暮らせます
・断熱性能が上がれば、光熱費を抑えられる
・結露・温度変化による劣化などをおさえることができる
・ヒートショックなどのリスクを抑えることができる
お財布と相談しながら、豊かな生活を手に入れてください

 

最後に、「先進的窓リノベ事業」という事業があることをご存じでしょうか?
窓の断熱改修(リフォーム)を行うと補助金が交付されます
2重サッシにしたい・今ある窓の性能を上げたい・ガラスを交換したいなど、窓の改修を悩んでいるのであれば予算が消化されるまでにこの事業の活用をおススメします!
5/15時点で予算消化19% 残り81%!

2022.07.16 ブログ

耐震等級、正しく理解してる?建築士が語る業界知識

戸田 圭太郎

戸田 圭太郎

こんにちはエーシンホーム 設計課です!

 

みなさん「耐震等級」について知っていますか?

耐震等級とは、地震に対する住宅の強度を示す指標の一つです。

品確法により定められたもので、13のランクが3つに分かれています。

耐震等級1・・・きわめてまれに発生する大地震による力に対して倒壊、崩壊しない程度

耐震等級2・・・「耐震等級1」の1.25倍の耐震性能

耐震等級3・・・「耐震等級1」の1.5倍の耐震性能

 

「きわめてまれに発生する大地震」とは、数百年に1回程度の頻度で発生する大規模地震のことで震度6強~7を想定しています。

しかし、耐震等級1であれば、地震にも耐えられる!!というわけではありません。

地震1回に対して耐えられることはできても、何度も発生する地震には倒壊するリスクもあります。

また、大規模な修繕が必要になる場合もあります。

建築基準法で定めれれている最低限の基準で、人命を守る最低限にもなります。

耐震等級23では耐震等級1より筋交いの数や筋交いの強度を上げ、より強い地震・繰り返し発生する地震にも耐えれるようにしてます。

また、筋交いの他に水平構面も取れているか確認も行います。

筋交は縦方向に対して耐えるもので建物の変形を吸収するもので、水平構面は水平方向の揺れにも耐えられるようにすることで耐震性能を確保するものになります。

なので、合板や火打ちなどで十分な水平構面が取れているかの検討を行っていきます。

水平構面を検討する際には、スキップフロア や3方向外に面する吹抜けなどができないなどの制限がかかります。

一般的には耐震等級23が多くなっています。

 

今回お話した内容は、「壁量計算の耐震等級」になります。

このほかにも「許容応力度計算の耐震等級」もあります。

許容応力度計算とは構造計算のことで、同じように耐震等級123がありますが、どれも壁量計算の耐震等級よりも耐震性があります。

 

耐震等級を上げるデメリットとして以下があります

・間取りに制限がかかる

 大きな空間やデザインに制限がかかるので、できないことも増えます。デザイン性の高い家を作ることは難しくなります。

・金額が上がる

 耐震性を上げるために使う部材が増えるため、初期費用が上がります。

 

これらのデメリットを踏まえた上で、地震によるリスクをどれだけ減らせるかを考えていく必要があります。

建築基準法の必要な筋交い・壁量を増やす案や日本の地震の傾向など日々地震に対しての対策や傾向も変化しています。

地震に強い家を作る!ことは大事なことですが、自分の家はではどこまで地震に対する安心にお金をかけるのかを考え、耐震等級について考えていただきたいです!

2021.12.17 ブログ

結構あります! 図面の種類

戸田 圭太郎

戸田 圭太郎

こんにちは!

エーシンホーム設計課の戸田です!

 

皆さん!家を建てるのに何枚の図面が必要か知っていますか?

家を作るのにはたくさんの図面があります!今回は図面の種類についてお話したいと思います!

基本的な図面

配置図…敷地のどこに家が建つのか書かれた図面
    敷地からの距離や家の周りをどうするかが書かれています。
    敷地の面積が書かれた敷地求積図や敷地の場所が書かれた付近見取図もこの配置図とまとまって書かれていることが多いです。

求積図…家の床面積や施工面積を求めた図面

平面・防災計画図…家の間取りについて書かれた図面
          換気や火災報知器などの法令に必要なものも書かれています。

立面図…外観のデザインや高さについて書かれた図面
    外観は家の印象を決めるものなので、どんなデザインなのか気になりますよね!

平面詳細図…平面図を拡大して、より細かく納まりを考えた図面
      図面の中で一番密度のあるもので、作図が難しい図面です。

天井伏図…天井の仕上げや高さについて書かれた図面
     建物の中だけでなく、外の軒天などについても書かれています。

基礎伏図…建物の基礎の立上りがどこにあるのか書いた図面
     家を支える大事な基礎!基礎がしっかりしていないと長持ちしません!

壁量計算…地震や風で建物が倒壊しないか検討した図面
     構造計算をして安全に暮らしていける居場所になっているのか検討しています。

電気詳細図…照明やスイッチ・コンセントの位置、回路について書かれた図面
      この図面とは別に照明器具について書かれたものもあります。
      ペンダントライトにブラケット!色も形も明るさもたくさんあり、皆さん悩まれます!

給排水設備図…給水・給湯の経路が書かれた図面
       点検や修理などの時に必要になります!将来のメンテナンスのための図面でもあります。

これらの他にも図面があります!

家具図…造作家具のデザインや大きさについて書かれた図面
    (玄関収納・洗面化粧台・カップボードなど)

建具表…造作建具のデザインや大きさについて書かれた図面
    (障子・襖など)

展開図…立体的な納まりや詳細などについて書かれた図面
    平面詳細図などで説明しづらい納まりがあると書きます。

家によって納まりが違っていたり、造作するものがあるので、家によりあったりなかったりします!

 

建物の図面の他にも、各部屋の仕上について書かれた仕様書などもあります!

家の大きさによって図面ごとの枚数が変わってきたりもしますが、図面と仕様書を合わせ17,8枚ほどあれば家が1棟建ちます!

たった十数枚で!と思うかもしれませんが、使う商品・形・色などの家に関わる全てのものが、集約されていると考えると、すごく密度の濃いものだと思いませんか?

 

家を作るときにはこれらの図面を一つにまとめた「製本」をお渡しします。

この製本を基に工事が進んでいきます。図面に書かれたものがそのまま作られるので、図面にはその家と同じ価値がある!のだと思い、日々作図をしています!

 

難しいことがたくさん書いてあるように思いますが、図面には設計者の思いと考えが詰まっています!

図面を見る機会があればじっくり見てください!設計者の思いが伝わると嬉しいです!