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2022.07.16 ブログ

耐震等級、正しく理解してる?建築士が語る業界知識

戸田 圭太郎

戸田 圭太郎

こんにちはエーシンホーム 設計課です!

 

みなさん「耐震等級」について知っていますか?

耐震等級とは、地震に対する住宅の強度を示す指標の一つです。

品確法により定められたもので、13のランクが3つに分かれています。

耐震等級1・・・きわめてまれに発生する大地震による力に対して倒壊、崩壊しない程度

耐震等級2・・・「耐震等級1」の1.25倍の耐震性能

耐震等級3・・・「耐震等級1」の1.5倍の耐震性能

 

「きわめてまれに発生する大地震」とは、数百年に1回程度の頻度で発生する大規模地震のことで震度6強~7を想定しています。

しかし、耐震等級1であれば、地震にも耐えられる!!というわけではありません。

地震1回に対して耐えられることはできても、何度も発生する地震には倒壊するリスクもあります。

また、大規模な修繕が必要になる場合もあります。

建築基準法で定めれれている最低限の基準で、人命を守る最低限にもなります。

耐震等級23では耐震等級1より筋交いの数や筋交いの強度を上げ、より強い地震・繰り返し発生する地震にも耐えれるようにしてます。

また、筋交いの他に水平構面も取れているか確認も行います。

筋交は縦方向に対して耐えるもので建物の変形を吸収するもので、水平構面は水平方向の揺れにも耐えられるようにすることで耐震性能を確保するものになります。

なので、合板や火打ちなどで十分な水平構面が取れているかの検討を行っていきます。

水平構面を検討する際には、スキップフロア や3方向外に面する吹抜けなどができないなどの制限がかかります。

一般的には耐震等級23が多くなっています。

 

今回お話した内容は、「壁量計算の耐震等級」になります。

このほかにも「許容応力度計算の耐震等級」もあります。

許容応力度計算とは構造計算のことで、同じように耐震等級123がありますが、どれも壁量計算の耐震等級よりも耐震性があります。

 

耐震等級を上げるデメリットとして以下があります

・間取りに制限がかかる

 大きな空間やデザインに制限がかかるので、できないことも増えます。デザイン性の高い家を作ることは難しくなります。

・金額が上がる

 耐震性を上げるために使う部材が増えるため、初期費用が上がります。

 

これらのデメリットを踏まえた上で、地震によるリスクをどれだけ減らせるかを考えていく必要があります。

建築基準法の必要な筋交い・壁量を増やす案や日本の地震の傾向など日々地震に対しての対策や傾向も変化しています。

地震に強い家を作る!ことは大事なことですが、自分の家はではどこまで地震に対する安心にお金をかけるのかを考え、耐震等級について考えていただきたいです!

2021.12.17 ブログ

結構あります! 図面の種類

戸田 圭太郎

戸田 圭太郎

こんにちは!

エーシンホーム設計課の戸田です!

 

皆さん!家を建てるのに何枚の図面が必要か知っていますか?

家を作るのにはたくさんの図面があります!今回は図面の種類についてお話したいと思います!

基本的な図面

配置図…敷地のどこに家が建つのか書かれた図面
    敷地からの距離や家の周りをどうするかが書かれています。
    敷地の面積が書かれた敷地求積図や敷地の場所が書かれた付近見取図もこの配置図とまとまって書かれていることが多いです。

求積図…家の床面積や施工面積を求めた図面

平面・防災計画図…家の間取りについて書かれた図面
          換気や火災報知器などの法令に必要なものも書かれています。

立面図…外観のデザインや高さについて書かれた図面
    外観は家の印象を決めるものなので、どんなデザインなのか気になりますよね!

平面詳細図…平面図を拡大して、より細かく納まりを考えた図面
      図面の中で一番密度のあるもので、作図が難しい図面です。

天井伏図…天井の仕上げや高さについて書かれた図面
     建物の中だけでなく、外の軒天などについても書かれています。

基礎伏図…建物の基礎の立上りがどこにあるのか書いた図面
     家を支える大事な基礎!基礎がしっかりしていないと長持ちしません!

壁量計算…地震や風で建物が倒壊しないか検討した図面
     構造計算をして安全に暮らしていける居場所になっているのか検討しています。

電気詳細図…照明やスイッチ・コンセントの位置、回路について書かれた図面
      この図面とは別に照明器具について書かれたものもあります。
      ペンダントライトにブラケット!色も形も明るさもたくさんあり、皆さん悩まれます!

給排水設備図…給水・給湯の経路が書かれた図面
       点検や修理などの時に必要になります!将来のメンテナンスのための図面でもあります。

これらの他にも図面があります!

家具図…造作家具のデザインや大きさについて書かれた図面
    (玄関収納・洗面化粧台・カップボードなど)

建具表…造作建具のデザインや大きさについて書かれた図面
    (障子・襖など)

展開図…立体的な納まりや詳細などについて書かれた図面
    平面詳細図などで説明しづらい納まりがあると書きます。

家によって納まりが違っていたり、造作するものがあるので、家によりあったりなかったりします!

 

建物の図面の他にも、各部屋の仕上について書かれた仕様書などもあります!

家の大きさによって図面ごとの枚数が変わってきたりもしますが、図面と仕様書を合わせ17,8枚ほどあれば家が1棟建ちます!

たった十数枚で!と思うかもしれませんが、使う商品・形・色などの家に関わる全てのものが、集約されていると考えると、すごく密度の濃いものだと思いませんか?

 

家を作るときにはこれらの図面を一つにまとめた「製本」をお渡しします。

この製本を基に工事が進んでいきます。図面に書かれたものがそのまま作られるので、図面にはその家と同じ価値がある!のだと思い、日々作図をしています!

 

難しいことがたくさん書いてあるように思いますが、図面には設計者の思いと考えが詰まっています!

図面を見る機会があればじっくり見てください!設計者の思いが伝わると嬉しいです!